herrlichtの日記

フリーランスの企画職を目指す、今は単なるノンスキル会社員の日記

(2/2)「個人でも勝てるビジネスプラン」を紡ぎだすための3つのStep

こんにちわ、herrlichtです。ヘアリヒトと読みます。

※前回エントリの続きとなります。このエントリだけ読むと訳が分からない部分があるかと思いますので、その場合はお手数ですが前回エントリをさっと一読いただければ幸いです。

herrlicht.hatenablog.com

さて、「「勝てるビジネスプラン」を紡ぎだすための3つのStep」の、Step2のご説明から再開します。

Step2:見つけ出したビジネスについて、味付け次第条件を満たすよう、「核となる改変アイデア」を定める。

このあたりのStepから、教科書的/普遍的なアプローチを定めることは困難になっていきますので、Step1に引き続き『食べログ』を下敷きにし、具体的な思考のプロセスを辿ることで、イメージを湧かせてもらうことを主眼に置いてご説明していきます。

まずはそもそも論として。『食べログ』の主な収入源は、以下の3点になります。
①ユーザー会員に対する月額課金(300円/月+税)
②店舗会員に対する月額課金(25,000or35,000円/月+税)
③一般広告による収入

①~③の規模は様々なファクターによって左右されますが、最もコアとなるファクターは「掲載店舗数」でしょう。
食べログ』の目指す勝ちパターンは、↓の図表のように表すことが出来ます。

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この勝ちパターンに乗るため、つまり、掲載店舗数を増やすための当然の帰結として、『食べログ』はあらゆる地域/あらゆる料理ジャンルの店舗を掲載対象としています。店舗掲載に当たり何かしらのフィルタリングをかけるようなことは極力行いません。
その一方で、サービス全体としてのユーザビリティ確保のために、店舗ページは、あらゆる地域/あらゆる料理ジャンルの店舗を統一的なフォーマットで表示出来るよう設計する必要があります。その結果として、各地域/各料理ジャンルの特殊性はことごとく捨象された店舗ページとならざるを得ません。
このようなビジネス特性から、「核となる改変アイデア」の片鱗を見出すことが出来ます。

何を言っているのかわかりにくいかもしれませんので、より具体的に。

イメージが湧きやすいのは「ラーメン」の料理ジャンルでしょうか。
「ラーメン」はもはや日本の国民食といっても良いほど社会に普及しており、一言にラーメンと言ってもその中身は実に多様です。
伝統的にラーメンの味は「塩」、「しょうゆ」、「豚骨」、「味噌」などに分けられますが、『食べログ』ではそれらのジャンルを分けて検索することが出来ません。さらに言えばラーメンは近年更なる嗜好の細分化の道を突っ走っており、マニアの視点からすれば麺の太さからニンニクの効き方に至るまで、あらゆるこだわりポイントが存在しています。
現状の『食べログ』のサイトでもフリーワード検索こそ可能ですが、サイト内部で情報のカテゴライズがそこまで細かくはなされていない為、世のラーメンマニアが「痒いところまで手が届く!」と満足する結果は得られないでしょう。

このように、「グルメ口コミの総合サイト」としては比類無きポジションを獲得している『食べログ』ですが、その「総合」さ故に、個々のジャンルごとの機能性は一部犠牲にされています。まさにこれが「企業組織がビジネス展開の際に背負う制約条件」(参考)によってもたらされる帰結です。
彼らはその気になりさすれば、今まで培ったノウハウを基に「ラーメンマニアを唸らせる至高のラーメン特化グルメサイト」を製作することが能力的には可能なはずです。彼らがそれをしない理由は、ビジネスとしてのスケールが見込めず、投資としてペイしない*1、それならば特段分離することなく本家サイトで取り扱っておけば良いと考えるからです。

ここまで話を進めると、「核となる改変アイデア」をどのように定めていけば良いのか、イメージが湧いてきたのではないかと思います。

「ラーメンジャンル特化」というアイデアは、「ラーメンに対する嗜好が細分化している」という長期的な「傾向」を捉えてた上で、企業にとって投資がペイしないようなニッチな領域を絞り込むアイデアとなっています。このことから、「核となる改変アイデア」に定め得るアイデアの一例であると評価することが出来ます。
もちろん、「核となる改変アイデア」は「ラーメンジャンル特化」が唯一の解ではなく、あらゆる可能性が広がっています。タテヨコナナメから検討し、最終的に最も筋がよさそうな「核となる改変アイデア」を一つ定めることになります。

Step3:「核となる改変アイデア」と整合性が取れるよう細部をチューニングし、ビジネスプランとしてまとめ上げる。

仮にStep2で「ラーメンジャンル特化」を「核となる改変アイデア」に定めたとしましょう。

その後のメインタスクは、サイトの一つ一つの機能を、「ラーメンジャンル特化」という、サイトの最大の特徴と整合性が取れるように、適切にチューニングしていくことになります。
まず考えるのは「どのような検索機能を実装するか」、「そのためにはどのような情報をユーザーから書き込んでもらう必要があるのか」というポイントでしょうか。必要な要素をロジカルに導きつつ、適宜想定ユーザーにヒアリングを行い、必要な微修正を加えていく、という検討の流れになると思います。
そして、これらの検討結果を「要件定義書」に落とし込み、エンジニアやデザイナーにシステムとしての実装を依頼することになります。「要件定義書」と言われるとシステム開発の経験が無いとぎょっとするかも知れませんが、最低限「サイト全体はこういうページ構成になっていて、このページではこういうことが出来るようにしてほしい」ということをわかりやすく書ければ何とかなるので、参考書を1~2冊読んだら、後は実践あるのみです。

さて、ここで一つ注意を促したいのは、「核となる改変アイデア」に直接的に関わらないような部分は、極力下敷きである『食べログ』を模倣して設計をすべき、という点です。
新規ビジネスを企画する時、成功率を上げるために個人的に大切にしているチップスに、「成功する新規ビジネスは、99%の模倣と1%の独創性から成る」というものがあります。

私は今の職場でプロジェクトベースで仕事をすることが多く、新規ビジネス企画のプロジェクトなり社内の業務効率化のプロジェクトなりに、時にはメンバーとして関わり、時には外野として観察をしてきました。
その中で、リーダーが、時にはアクの強いメンバーが、初っ端から独創性をふんだんに組み込もうとして頓死するプロジェクトをいくつも見てきました。
気持ちはわかるんです。自分の貴重な時間と体力と精神力をつぎ込んで新しい何かを始めるとなったら、そこに魂を込めたい、少しでも自分の爪痕を残したいと思うのは人の性です。
さらに、もしも自分が付与した独創性がトリガーとなってプロジェクトが大成功しようものならば、周りから大きな賞賛を集め、一気にスターになることが出来ます。一方でプロジェクトが失敗に終わった時でも、「大きなチャレンジをした結果としての意義深い失敗だった。今回の件から学ぶ点は大いにあった。」と言っておけば、大抵の場合周りも強くは責められないものです。
となったら、インセンティブ構造上も独創性を押し出した方が有利、という面もあるように思います。

ただし、インセンティブ構造を織り込んだ賢い選択が、プロジェクトの成功確率を最大限高める選択と一致するとは全く以て限りません。この場合は、むしろよろしくない結末が誘発されかねないと考えています。

独創性をふんだんに組み込むと何がマズイかというと、プロジェクトがうまく離陸しない時に(一撃で見事な飛翔を遂げるプロジェクトなどほぼ皆無です)、その離陸しない原因が何なのかを突き止めることが困難を極めるのです。
単一要因が独立して障害をもたらしているのであれば、要因を一つ一つチェックすることで犯人を見つけ出せることもあります。しかし大抵の場合は、独立して存在している分には問題のない要因が、二つ三つと組み合わさることによって障害をもたらしていたりします。食事でいうところの「食べ合わせが悪い」というヤツです。天ぷらもスイカも単独では美味しく頂けますが、一緒に食べると消化不良を起こします。ビジネスの現場でも似たようなことが良く起こるわけですね。

こうなると、乗数効果で検討しなければならない項目が膨らみすぎて、もう犯人探しはお手上げ状態になります。そしてプロジェクトはそのまま闇に飲み込まれていくことに。。。

であるからして。

独創性は、そのプロジェクトの核となるアイデア1%(『食べログ』の事例の場合、ラーメン特化というアイデア)にのみに籠め、後は既存のレガシーな手法を忠実に模倣して周囲を固める、というのが、新しい取り組みをする時の正着手であると、私は考えています。
このようなアプローチを採用すれば、上記のような食べ合わせ問題が起こる確率は大幅に抑えることが出来ますし、仮に障害が発生した時も、独創性を籠めた1%に連関する要因を具に当たっていけば原因を掘り当てられる可能性が高いです。
その上で、プロジェクトに関係する人々の反応をきちんと見ながら、素早く細かくチューニングをしていく、というアプローチが取れれば、最終的なプロジェクトの成功率を高められるように思います。

もちろん、中には模倣しようにも技術的/コスト的に模倣不可能な部分もあります。その場合は素直に諦めましょう。完璧主義は敵、割り切りも大切です。

以上、2つのエントリにわたって、「個人でも勝てる」ビジネスプランの構築方法についての私見を書いてきました。アレもコレもと盛り込んだら随分と長くなり、読みにくくなってしまったことは反省点ですね...。これでも色々削ったのですが。
モチロン、ここで示したStepを踏襲してプランを検討し、注意点を忠実に守ったからと言って、即ち成功を得られる、というものでもありませんが、皆様がご自身のビジネスを考案する中で一つの参考になれば良いと思っております。

それでは、また!

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*1:あくまで仮説です。ラーメンは巨大ジャンルですので、今後『食べログ』が本気を出して特化サイトを作ってくる可能性はゼロではありませんし、『食べログ』より小さな企業がこの投資はペイすると睨んで突撃してくる可能性もあります。ここで示したのはあくまで概念の説明用であり、「ラーメンマニアを唸らせる至高のラーメン特化グルメサイト」が、個人として取り組むのに筋の良いビジネスであると言っているわけではありません。