herrlichtの日記

フリーランスの企画職を目指す、今は単なるノンスキル会社員の日記

「大企業にいける人は、大企業にいっている場合ではない」説に物申す

こんにちは、herrlichtです。ヘアリヒトと読みます。

ネット界隈ではよく、「大企業は個人のキャリアを毀損する!若者は中小企業やベンチャーへ行った方が圧倒的に成長できる!」みたいな言説を数多く見かけます。id:Chikirin氏などがその最右翼でしょうか。以下は数年前のエントリですが、当時は随分と話題になりました。

d.hatena.ne.jp

私もネット上で「フリーランスの企画屋になりたい」などと言っていると、上記のような主張を持った、所謂「アンチ大企業」の人間なのだろうと連想される方が多いのですが、これは大きな誤解です。急がば回れ、とでも言いますか、大企業での勤務経験は、フリーランサーを目指す自分のキャリアにかけがえのないモノを与えてくれると考えていますし、独立を当面考えていない人にとっても、大企業は今までも、そしてこれからも、十分に「学べる」職場であろうと捉えています。

私としても、「大企業に入ったら将来安泰、自分のキャリアは会社が考えてくれるし、とりあえず目の前の仕事を粛々とこなしていこう」という意識を持った受動人間にとっては、大企業はキャリアを毀損する場になり得るとは思います。そのような人間は、「自分で考えて、とにかく動いてみる」ことを強制される中小企業やベンチャーにいたほうがキャリアにとってプラスになる場合があるであろうことは否定しません。
一方で、具体的に成し遂げたいことがある能動人間にとっては、大企業は、学べること、活用できるリソースの宝庫だと思います。とりわけ、私のような将来的に自分のビジネスを立ち上げたい、と考えるような人間にとっては、その立上げの時まで大企業に籍を置いておくことには様々なメリットがあります。

その中でも、私が特筆すべきメリットだと考えるとは、以下の3点です。

①大企業のストロングポイント/ウィークポイントを肌感覚で捉えることが出来るようになる。

大企業には大企業なりの腐った部分があります。その腐った部分に直面した時、「こんなところにいたら自分も腐ってしまう、やっぱり大企業はダメだ...」と捉えるか、「なるほど、このあたりが大企業のウィークポイントなのね、フムフム面白い...」と捉えるかはマインドセット次第です。
一方で、大企業だからこそのスゴイ部分もあります。日常的に業務に従事している時、「いやぁ、うちの会社位の規模になればこれくらい当たり前でしょ?」と捉えるか、「こんなことがさも当たり前に流れていくって、冷静に見てみると相当スゴイことなんじゃね?」と捉えるか、これもまた、マインドセット次第です。
後者のようなマインドセットを持って日々の業務に取り組み、気づきを蓄積させていくと、大企業のストロングポイント/ウィークポイントが自分の中で自然に整理され、深く理解出来るようになります。
新規ビジネスを企画/運営する際は、「自分より強大な力を持った企業に叩き潰されないようにするために、どうすれば良いか」という問いに向き合い続けなければなりません。そしてこの問いに対して筋の良い解を導き出すために、大企業のストロングポイント/ウィークポイントの肌感覚レベルでの理解はとても強力な武器になります。この武器は、大企業の外部にいる人間には、そうそう手に入れられるモノではありません。

②強烈な「名刺の力」を活用できる。

新規ビジネスを企画していると、元々面識のない人と直接会って話をしなければならない機会が多くあります。
私は、ミーティングのアポイントを取る際、現勤務先の名前を必ず相手に知らせるようにしています。これをするとしないとでは、アポイントの取得確率に大きく影響するためです。そして、相手にお会いした時は、新規ビジネスの名刺と共に、現勤務先の名刺を必ずセットで渡すようにしています。新規ビジネスの名刺だけでは、「どこの馬の骨ともわからんヤツ」という評価になりますが、現勤務先の名刺を同時に渡すことで、「それなりの会社に勤めながらも自分のビジネスを企画しようとしている、堅実だが面白そうなヤツ」という評価になります。相手が提供してくれる情報の質も、お願いごとに対する協力の姿勢も、必然的に大きな差が出ます。とりわけ、業界の有識者や大学の教員へヒアリングを行いたい時などは、彼らも相当に忙しい身の上ですので、それなりに名の知れた企業の名刺が無いと殆どのケースで門前払いを喰らいます。
私が勤めているのは、業界ではそこそこのプレゼンスがあるB2B企業で、一般的な知名度はCMを打ちまくっているB2C企業には劣りますが、それでも「人と会う」ためのフックとしては十二分に活躍してくれています。それほどまでに日本の社会において「大企業の名刺」は強い力をもっています。この力を上手く活用しない手はありません。
ちなみに、これは個人的に体験したわけではありませんが、日本人の気質なのか、「元」がつく肩書にはあまり高い評価を与えない傾向にあると思います。上記のメリットは、現在進行形で大企業に勤めている人のみが享受できるものだと思います。

③自分が求めるスキルセットを持つ優秀な人間にアプローチしやすい。

新規ビジネスを企画していると、プランを実現するために今の自分に欠けているスキルが何かしら見つかります。そのような不足スキルは、外部から調達するのが現実的な解決策となるわけですが、専門分化が進んでいる大企業に所属しているほど、自分が欲するスキルセットを高水準で有する人間を社内で見つけやすくなります。
私が現在取り組んでいる新規ビジネスに関しては、偶然にも学生時代の友人に要求スペックにドンピシャの人間がいたので、勤務先の人間関係に頼ることはありませんでしたが、パートナー選びはメチャクチャ重要なので、選択肢が広いことに越したことはありません。

 

さて、ここまで大企業だからこそのメリットを挙げてきましたが、私が言いたいのは、「だから大企業サイコー!」ということではありません。私は大企業での勤務経験しか無いので具体的な中身はわかりませんが、中小/ベンチャーで勤務することによってのみ得られる知見やスキルというものも、これまた存在するのだろうと思います。
私が言いたいのは、「会社に依存せず、個人としてシャンと立って生きていきたい」と思っている人の「キャリア」にとって、「大企業が良いか、中小/ベンチャーが良いか」という二項対立的な問いを立てること自体がアホらしい、ということです。

ネットでは時たま、「Aも良いし、Bも良い」という、両論相立つ意見には価値が無い、といった主張がなされることがあります。確かに、片方に肩入れした意見表明の方が、キャッチ―で刺激的だと思いますし、安易な両論相立つ意見の採用は、議論の深化を止めてしまうリスクもあるでしょう。しかし、実際に「Aも良いし、Bも良い」としか思えない話題について、無理やり片方に肩入れするのは不誠実な態度だとも思います。
私にとって、「大企業or中小/ベンチャー」という問い立ては、まさに「Aも良いし、Bも良い」としか思えない話題です。それが、巷では随分と偏った議論がなされているな、と思い、つらつらと長文を書き殴った次第です。

それでは、また!

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