herrlichtの日記

フリーランスの企画職を目指す、今は単なるノンスキル会社員の日記

この世はそもそも不公平

こんにちわ。herrlichtです。

この記事、読みました。

jitensyazamurai.com

 

自転車ショップに来て、タイヤに空気を入れてもらう、パンクを修理してもらうといったサービスを提供してもらっているにもかかわらず、対価を払おうとしない人に対して憤っておられ、プロの仕事にはしっかり対価を払うべき!それをしない人は「客」ではない!と主張されています。

自転車ショップの店主さんの気持ちは、よくわかります。主張されていることは正論だとも思います。

しかし、如何に彼が怒りを露わにして、自らの正義を主張し、多くの人から賛同が得られたとしても、きっと自転車ショップをとりまく環境は何も変わらないでしょう。

何故か?

「この世は、そもそも不公平」だからです。

何故自転車ショップに訪れた人は、受けたサービスに対価を払おうとしないのでしょうか?
それは、彼/彼女自身が、もしくは両親が、友人が、今まで自転車ショップのサービスに対し対価を支払ってこなかったからです。換言すれば、社会に自転車ショップのサービスに対し対価を支払うというコンセンサスが成立していないからです。

では何故、対価を支払うというコンセンサスが成立していないのでしょうか?
それは、彼ら自転車ショップ自身が、今までサービスを受けた人に対して、対価を請求してこなかったからです。

ではでは何故、彼らはサービスの対価を請求してこなかったのでしょうか?
それは、彼らが「値引き」によってしか自らの店の優位性/差別性を提示できなかったからです。

別に、歴代の自転車ショップが手抜きをしてきた、と言いたいわけではありません。
ビジネスにはそもそも、「優位性/差別性を構築しやすいビジネス」と「優位性/差別性を構築しにくいビジネス」が存在します。
その格差は圧倒的なまでに「先天的」なものであり、また、厳然と存在をしています。
後者に属する業界のトッププレイヤーが、前者に属する業界の3流プレイヤーよりはるかに収益性が低い、ということが当たり前のように起こるのです。
そして自転車ショップは、それこそ典型的といってもよいほどの、「優位性/差別性を構築しにくいビジネス」です。

「仕入れて、売る」ことを生業とする自転車ショップがまず出来ることといえば、「自転車そのもの」の価格を下げること。
しかし、自店が値引きすれば、ライバル店も負けじと値引きします。そして「自転車そのもの」の値下げにはあっという間に限界が来ます。
次に値引きの対象とするのは、自転車に付随する「サービス」の価格です。これも「自転車そのもの」と何も変わりません。「サービス」の価格も、あっという間に下限値まで暴落します。
「自転車ショップのサービスはタダ」というのは、果てしないダンピング競争の果てに行き着いた、必然の地平なのです。

もしこの苦しみから逃れたいのであれば、「自転車ショップ業」という荒地から逃げだし、もっと豊かであることを運命づけられている地に移住すればよいのです。
逆に言えば、どうしても「自転車ショップ業」という荒地で生きていきたいのであれば、付帯サービスの対価が得られない、結果、とても薄い利益しか得られないという「不毛」を甘んじて受け入れなければなりません。

この世は、そもそも不公平なのです。
配られたカードで勝負するしかないのです。

どのような業界が「優位性/差別性を構築しやすいorしにくい業界」であり、その決定要因はどのようなモノなのか、という議論は「経営戦略論」の中の「競争戦略」と呼ばれる分野で、とても分厚い検討がなされてきています。興味をお持ちになったかたは、是非お勉強をしてみてください。

それでは、また。