読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

herrlichtの日記

フリーランスの企画職を目指す、今は単なるノンスキル会社員の日記

「都市の娯楽」の停滞感が深刻です。

こんにちわ、herrlichtです。

特に予定が無い休日は部屋で本を読むかネットサーフィンをして過ごすことが多いのですが、時にはふらりと渋谷や新宿や銀座といった街に出て、ぷらぷらと散歩することがあります。そこでよく感じることが「こんなに人を集めている場所なのに、思ったよりも楽しめることが少ないなぁ」ということです。

パッと思いつく、都市で消費できる主要な娯楽は以下のような感じでしょうか。

●「都市の娯楽」主要ラインナップ
・ショッピング
・食事
-------------大きな壁-------------
・ボーリング/ダーツ/ビリヤード
・カラオケ
・映画
・ゲームセンター
・クラブ/夜のお店

↑にあがっている面子、バブル時代の世相を少し調べてみるとわかりますが、当時とほとんど変わっていません。つまり、25年前の人々と現代の人々がそれぞれ、渋谷や新宿や銀座といった街に遊びに行って何をしているかというと、比重の差はあれど項目ベースでみるとほとんど変わっていないということです。
これ、ITを始めとした他分野のここ30年の成長と(無理やりながら)比較してみると、この停滞感はちょっと異様な感じがします。

もちろん、新しい娯楽が全く出てきていないということはありません。一瞬盛り上がってその後静かに消えていった都市娯楽は、スケートとかディスコとか、色々と存在します。
また、時間の洗礼を耐え抜き、定着した感のある都市娯楽もいくらかは存在します。例えばメイドカフェを初めとする○○カフェ(飲食ではなく、世界観を楽しむことやコミュニケーションをメインとした場)あたりは、都市娯楽界のニューフェイスといって良いと思います。
とはいえ大きな視点で見ると、ボーリング/ダーツ/ビリヤードあたりと並び称されるレベルのニューフェイスは現れていない、というのが、多くの人と共有できる認識でしょう。

この原因は、わりと明確です。
まず前提としてですが、新たな娯楽を考案して普及させようとする場合、その主体となるのは現代においてはおそらく民間企業体となるでしょう。
新たな都市娯楽の開発・普及を一つのビジネスとして捉えた場合、これは腕利きのプランナーの人件費に始まり、広告宣伝や都市内のスペース確保と、かなりの初期投資が必要になるビジネスです。
一方で、これは娯楽に限らない話ですが、一昔前に比べて何らかのメガヒットを飛ばすことのハードルは確実に上がっています。インターネットの普及を通じマスメディアの影響力が落ち、単純な広告宣伝やテレビ番組とのタイアップ企画では、大勢の人を躍らせることが難しくなりました。人々の嗜好の細分化傾向も普及の難しさに拍車をかけています。
ここに「社会の気分」にその受容性が左右されるという、「娯楽」の生来的性質が掛け合わさると、ビジネスとしての不確実性はどうしても大きなものにならざるを得ません。
これらの点から、「新しい都市娯楽を創出・普及させる」という社会課題は、民間企業体目線でいえば、解決する魅力を見出しにくい課題になってしまいました。

ただ、これを国家、もしくは地方自治体目線で捉えなおすと、なかなか頭の痛い問題です。もし何もせずに放っておいたら、おそらく20年後も30年後も、都市で消費できる娯楽は、今日のものとそう変わらないでしょう。一方でインターネットを基盤とした電脳空間はよりその娯楽性を強めていくでしょうから、人々はますます家の中で多くの時間を過ごすようになるでしょう。それは、都市の活力喪失につながります。
政府は今、カジノの誘致に積極的ですが、その姿勢を形成する一要因として、このまま手をこまねいていても、リアルに根差した新たな娯楽は出てこないだろう、という危機感もあるのだろうと思います。

現在東京では、渋谷駅周辺や品川田町間の新駅周辺などで、大規模な都市の再開発が行われています。おそらく15年後には、美しく区画整理され、意匠を凝らした高層ビルが立ち並んだ、素敵な都市に生まれ変わっていることでしょう。
ただ、いくら「都市」というハードウェアが整備されても、インストールされる「娯楽」というソフトウェアに進化が無ければ、きっと電脳空間に打ち勝ち人を集めることは出来ないでしょう。

もっとも、都市と電脳空間を二項対立的に捉えるのはミスリードな部分もあり、実際は二者がうまくコラボレートして新たな都市の魅力を形成していく、というのがありうる未来像なのかな、とも思います。「コロプラ」や「Ingress」は、将来振り返った時に、その走りだったね、と評価されるのかもしれません。
「都市を面白くしてくれる」プレイヤーがどんどん出てくるといいなぁ、と思っています。

それでは、また。